レポート
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「UD公園のヒント・海外編No.03」
多機能なプレイデッキ
〜アメリカ・バウンドレス プレイグラウンドより〜

  前回のレポート「UD公園のヒント・海外編No.02−てっぺんに続くスロープ」の中で、複合遊具のスロープとプレイデッキの関係を、長方形の厚紙と積み重ねたマグネットを使った模型でご説明しました。今回は模型で言うとマグネットの方、プレイデッキの特徴をご紹介します!

写真:複合遊具のプレイデッキ
 上の写真は、ある複合遊具のプレイデッキです。あいにく全体が写っていませんが、床が多角形の形をした広いスペースです(たたみ4畳分近くあるでしょうか)。
 プレイデッキは名前の通り遊びの要素を備えた場所ですが、スロープとスロープの中継地点として踊り場のような役割も持っています。
このようにデッキにゆとりがあると、車いすの利用児も含めて数人の子どもがここで一緒に遊べますし、その間を気兼ねなく通り抜けることもできますね。
写真:音の出るプレイデッキ 写真:砂時計の仕掛けがあるプレイデッキ
    写真:迷路ゲームが付いたプレイデッキ    写真:恐竜の絵合わせパズル
 ではプレイデッキ上の遊びには、どのようなものがあるのでしょうか。
 プレイデッキは多角形ですからいくつもの壁面があります。それらの壁面を利用して、いろいろな遊び方のできるプレイパネルが備え付けられていました。
 ボタンを押すと音が鳴るもの、砂時計&透明なオイルの中でキラキラとスパンコールが揺れるオイル時計(?どなたか正式な名前を…)、パネルにはめ込まれた円盤を回転させて迷路の中の鉄球を動かすゲーム、また地元で恐竜の化石が発掘されたことにちなんだ恐竜パズルも!
 体を動かすだけでなく、見たり、聞いたり、考えたりと様々な感覚を使って楽しめる工夫が満載です。プレイパネルの一つ一つから、遊具メーカーの方の「操作がしやすく、壊れにくく、何より子どもたちの力を引き出す楽しい遊具を」という思いが伝わってきます。
写真:沢山のローラーが並んだプレイパネル
 こちらは、半面は白、もう半面は茶色に塗られた高さ数センチの筒状のピースが縦5個×横15個、計75個並んだプレイパネルです。一つ一つのピースを回してどちらの面を出すか選んでいくと、パネル全体できれいな模様を描けたり、記号や文字を表すことだってできます。
 集中してアルファベットをつづる子どももいますし、表面を勢いよく撫でてピースがクルクルと回る感覚や音を楽しむ子どももいて、遊び方はそれぞれです。

 ところでこの横長のパネルは、子どもの肩くらいの高さに設置されていて、その下は空いていますね。
写真:潜望鏡がついたパネルと、車のハンドルやギアがついた運転席風のプレイパネルが並んだデッキ
 こちらのデッキには潜望鏡がついたパネル(左)と、車のハンドルやギアがついた運転席風のプレイパネル(右)が並んでいますが、やはり2つともパネルは上部だけ。床から高さ70cmくらいまでは壁がありません。ただその先に向かって半円形の床がせり出していて、まるでそれぞれのパネルの向こうに手すりつきの小さなバルコニーがくっついたような形です。
 これは車いすに乗った子どもがプレイパネルにしっかりと近づいて自然な姿勢で遊べるよう、足元の空間を確保するための工夫です。

 じつはこの写真を撮った後、私が「なるほどぉ」と感心しながらハンドルを動かしていると、男の子が駆け寄ってきてひょいとパネルの下を潜り、反対側のバルコニーに立ちました。

「これね、こっちからも動かせるんだ。ほら!」とパネルの裏側からギアをガチャガチャと動かして見せてくれたのです。

「ほんとだっ」
「ね!すごいでしょ?」

 車いすの子どものための工夫が、このように向かい合って遊ぶ楽しさを生むスペースにもなっていることに気付かされました。

 さて、前回のレポートでも触れましたが、プレイデッキには他にも様々なチャレンジルートが接続しています。例えばうんていやバランス遊具、はしごやウォールクライミングなどです。それらの出入り口は多角形のデッキの、プレイパネル以外の面に設けられています。
 しかしデッキに上がってきた車いすの子どもが、これらの出入り口から誤って落ちてしまう危険はないのでしょうか?
    写真:車いすより狭い幅で手すりが設けられているデッキ    写真:車イスを危険な箇所へ誘導しないように一段高くなっている出入り口の床
 大丈夫です。そのような転落を防止するため、これらの開口部には車いすより狭い幅で手すりが設けられていたり、出入り口の手前は床が一段高くなっていたりします。
 これで本人が遊びに夢中でついうっかりと、あるいは不意に他の子どもとぶつかったはずみで、車いすごと下に落ちてしまうという大きな危険(ハザード)は避けられます。
 あらゆる人がアクセスできるようにすることと引き換えに生まれる新たな危険を回避するための工夫も、UD公園には欠かせません。
写真:3つの複合遊具の中で一番低いデッキ
 さあ、ここまでバウンドレスプレイグラウンドのプレイデッキの特徴を見てきました。
 最後に、あるプレイデッキの写真をご覧下さい。この複合遊具は3つのデッキを持っているのですが、こちらの写真は最初の一番低いデッキです。
 このささやかなプレイデッキが一体いくつの機能を持っているのか数えてみました。

  ・左手前の園路からこのデッキへ、緩やかなアーチ状の橋がつながっています(まず一つ)。
 ・右奥へスロープが延びて次のデッキへとつながっています(これで二つ)。
 ・さらに音を鳴らしたり回したりして遊ぶプレイパネルが3種類。
 ・はしごやロープを使って様々な手段で昇り降りする遊具が4種類。
 ・クルクルと回転しながら降りる遊具が一つ。
 ・滑り台が一つ。
 ・伝声管が1本。

 なんと(床下のしかけは含めず)デッキの上だけで、遊び方も難易度も様々な11の機能を持っていました!

  私たちのまわりには、巨大遊具のある公園、アスレチックコースのある公園、また最近ではプレイパーク(冒険遊び場)など、いろいろな特性を持った遊び場があります。そうした中、もっとも身近な近所の公園に望まれるのは、コンパクトで充実したこんな遊び場かもしれません。

  地域の多様な子どもたちがやってきて、
  それぞれの力を発揮して遊び、
  友だちとのかかわりを広げたり、
  新しいことに挑戦したりしながら、
  長く親しめる公園・・・


  今回は、スロープを一つ上がるごとに、あらゆる子どもたちに様々なワクワク感を与えてくれる多機能なプレイデッキをご紹介しました。
 皆さんの身近な公園にある複合遊具のプレイデッキはいかがですか? 
 ぜひ今度、どれだけの遊びができるか、数えてみて下さい。
 そして11以上の機能を持つプレイデッキが見つかりましたら、お教え下さい!
 宛先はこちら!
 素敵な公園情報、お待ちしています。
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