ニーズを知る「私の思い・みんなの思い」

No.07<鈴木理恵子さんの思い>

歩行がまったくできない子(肢体不自由児で車いすユーザー)の目線で、公園遊びについての経験と思いについて。

身体に障がいのある子との公園遊びはとにかくハードルが高いです。

写真:サンドテーブルで遊ぶ鈴木さん一家。車いすから砂に手を伸ばす双子の男の子
写真提供:鈴木理恵子さん

<公園に足を運びづらい要素・ハード面>
・常に見守りと介助が必要。(転倒を防ぐためや体を支えてあげなければならないために、付きっきりでの介助が必要)

・公園がバリアフリー(ユニバーサル仕様)になっていないため、地面が雑草だらけだったり砂利、土だったりすると車いすで進みにくかったり、車いすのままで遊べる遊具がない。

・車いすを利用しないで遊ぶ時でも、はいはいしかできないので泥だらけになるし、コンクリート等だと皮膚が傷つく。(痛くてはいはいできない)

・泥だらけになって遊ばせてあげることができる場合でも、手洗いや水飲み場は水しか出ないので、泥だらけになった後に洗う場所や着替える場所がないとチャレンジできない。(公園でみんなの前で全裸にはできないし、泥だらけで車いすに乗せて帰ることはできない)

・行きたい公園が近かったらよいが、遠方にある場合に公園に駐車場がないと移動介助が大変。

写真:皿型ブランコを楽しむ、下肢装具を付けた双子の男の子とお姉ちゃん
写真提供:鈴木理恵子さん

<公園に足を運びづらい要素・ソフト面>
・車いすであったり、装具を履いているとまわりからの視線が気になる。(あれなんだろう?とか、車いすってことは歩けないってこと?何か病気か障害があるのかな?聞くのは申し訳ないから、あいさつや声掛けもしづらいな・・・などと思われていることが想像できる。)

・障害がありそうな子(よくわからない相手)に対してどう接したらいいかわからなくて、あいさつすら声をかけられない。微妙な距離を取られてしまったり、視線が合わないように避けられてしまう。

・何をするにも動きがゆっくりのため、ほかのお子さんを待たせてしまうことで、申し訳ない気持ちになる。(滑り台の階段や滑る前も滑り降りた後も、移動に時間がかかって後ろに子どもたちの列ができてしまう)

・今はだいぶ辛くなくなったが、障害が発覚したばかりの頃は元気に走り回って遊ぶ子どもたちを見るのが辛くて、公園へは行きたくなかった。(健康だったら、あの子たちみたいに走り回って元気に遊んでいたんだろうなぁと思ってしまったり)

・「どうして車いすなの?」「どうして歩けないの?」など、障害に対する悪意のない子どもの質問や、「いまは歩けないけど、治るんでしょ?リハビリで歩けるようになるんでしょ?」などという大人の間違った知識からの質問が辛くて、そんな思いをするくらいなら公園には行きたくないと思ってしまう。

・車いすが作成されるまでの間、ベビーカー(福祉バギー)を利用していると、「いつまでも甘やかして。そんな年までベビーカーなんか乗せて、赤ちゃんか!」などと、自分の常識で声をかけたりしてくるご年配の方が多くて、ショックを受けてしまうので行きたくなくなる。

・公園へ行ったところで、距離を取られてしまってママ友やお友達ができない。(障害児育児であっても、”育児”であることには変わりなく、普通の会話がしたいのにそれがかなわない)

・公園には見た目ではわからない発達障害などのお子さんは見かけるが、自分の子と同じように身体に障がいを持つお子さんが遊びに来ているのをほぼ見たことがない。(車いすだと公園で目立ってしまうことや、同じような悩みを持つママと話せる機会がない)

写真:シーソーで遊ぶ男の子
写真提供:鈴木理恵子さん

<今後の公園の在り方が変わってほしいと思うこと>
・ユニバーサルデザイン(バリアフリー)は、もはや大前提であって、そこにアクセシビリティやどんな人でも楽しめる工夫がこらされた公園になってほしい。

・インクルーシブ遊具から学ぶというよりは、遊具はどんな人でも利用できる工夫があればよくて、泥んこ遊びや、自然遊びなど遊具以外から子どもたちが自分で考えた遊びをできる環境も必要だと思う。(たとえば、土と水のエリアでそこから子どもが考えて生み出す独自の遊びなど。用意された遊具で遊ぶだけでなく、自分たちの発想で遊べる環境)

・安全面が確保された設計も大事だが、インクルーシブ遊具をたくさん設置する必要はなく、いかにどんな人も楽しめる設計にするかが大事。(ハード面だけでなく、どうしたら障がいの有無関係なく一緒の場所を利用できるか? 多様性を自然と学べるような公園の運営方法を考える必要がある。人が交流し合う公園。)

・障害児者のために公園が変わったという認識にならないような、公園づくりが全国ではじまったらいいなと思う。(公園とは行政が作るものではなく、その地域その地域の市民たちが自分たちの意見を出し合って育んでいく憩いの場という認識)

・ただ公園に色々な人が集まるだけではなく、違いのある人たちをサポートする役割の人(プレーワーカーや障がい理解や経験のある人)が常駐する公園や、理解や啓発のイベントが公園で継続的に行われるなど、相互尊重や理解の取り組みがあったらいいなと思う。

写真:回転遊具を回すお父さんと、笑顔のおねえちゃんと弟
写真提供:鈴木理恵子さん

上記のことを踏まえながら、ニュータイプの公園づくりを発信したり実現するために、まずは任意団体の設立から頑張ってみようと思います。