ニーズを知る「私の思い・みんなの思い」

No.11<イロワマイロライフさんの思い>

小学6年生の定型発達の長男、小学4年生の次男と長女の双子、計3名のこどもを育てています。

双子の次男が重度知的障害を伴う自閉症です。
私には、次男に障害があるとわかってから、ずーっと胸に抱いてきた夢があります。
それは、兄弟3人全員が、3人それぞれが、思いっきり体を動かし、全力で、心の底から楽しめる公園を作ることです。

うちは、次男に障害があるだけでなく、多胎児であるということや、上の子との年齢が近いこともあり、公園選びには苦労してきました。

障害のある次男を優先させて行き先を選べば、他の2人の兄弟にとっては物足りなく、他の2人の兄弟を優先させて行き先を選べば、障害のある次男は全く遊べない、、、

公園に出かけるときは、次男の障害の特性ゆえに、いつも「すみません」と周りのお父さん、お母さんに謝り倒し、周りに迷惑をかけないか息子を監視し、いつも気を張っていなければいけません。
時には、一瞬の隙に息子がいなくなり、家族総出で探し回る事態に陥ったり、公園にいる全く知らないよそのお父さんに「おたくのお子さん、どういう教育してはるんですか!?」と突然怒鳴りつけられたり、、、
うちの次男を安心して公園で遊ばせることは無理かもしれない、、、
そんな風に思ったこともあります。

それでも、体を動かすことが大好きな子供達を遊ばせるために、ネットで空いていそうな公園を探し、そこへ向かうために早朝に家を出発し何時間もドライブして通っていた日々もありました。

今は子供達も小学生になり、他の兄弟が成長したこともあり、昔ほど大変ではなくなりましたが、それでも公園に行くと、体も大きくなってきた息子の行動に、「この歳になってもこんなことするの!?」とか「あの子変だよね」「こんな子遊ばれたら迷惑だなー」という周りからの白い目との闘いを続けています。

いつまでこんな思いをしなければいけないのか、、、
障害があったら、公園に行って遊んじゃいけないのか、、、
そもそも障害のある子は世の中にとって迷惑な存在なのか、、、

そしてそんな風に思っているのは私だけではなく、知的障害や自閉症の特性ゆえに公園遊びを諦めて、ひたすら家に引きこもらざるを得ない生活を強いられている親子をたくさん知っています。
本当は、外で思いっきり遊ばせてあげたい。
その方が本人の発達にとっても絶対いいことはわかっているのに、、
それでも周りに迷惑をかけてしまうんじゃないか、という怖さ。
周りからの白い目の怖さ。
そこの壁があまりにも高すぎて、公園に行くことは諦めた、、
そんな話をたくさん聞いてきました。

私は、知的障害や自閉症を持つお母さん、お父さんが挨拶がわりに他人にペコペコと頭を下げて「すいません」と言わないでいい公園を作りたい!と思っています。
障害があることで、公園遊びを諦めてしまっていた親子が全力で遊べる、そんな公園を作りたいと思っています。
子どもたちがありのままの自分でいられて、ダメって言われない環境。
子どもたちを怒ったり迷惑がったりせずに温かく受け入れ、見守ってくれる人がいる公園。
そんな環境であれば、どんなに障害が重くても子ども達は色んなことにチャレンジすることができ、成功体験を積んで、成長に寄与することができると思っています。

そこで、夢を実現するために、リサーチを始めたところです。
全くの素人で、一から公園を作るって何をすればいいのか、右も左も分かりませんが、土地探し、資金作り、遊具のデザインや空間作りなど、これから色々と学んでいきたいと思っています。

イメージ写真。色鉛筆で彩られた虹。
写真提供:イロワマイロライフさん