ニーズを知る「利用者調査」

視覚障害のある子どもたちと公園(1)

視覚障害者(全盲・弱視)、視覚障害児のお母さん、盲学校の先生たちの声

<どこの公園で遊ぶ?>
○保育園・幼稚園の園庭や近所の公園で遊ぶことが多い。

○慣れた所なら遊具の場所や形もわかるし、一緒に遊ぶ友だちもそのお母さんも、視覚に障害のある自分のことを理解しているので安心して楽しめる。

○困るのは、初めて行った公園や比較的大きな公園。遊具のつくりがわからないし、周りにいるのは知らない子どもたちばかり。自分が見えにくいことや、そのためにゆっくり行動していることがわかってもらえず、ぶつかったり押しのけられたりするので不安。

<初めての公園で遊ぶ時は?(複合遊具の場合)>
○複合遊具の下で、まず親や先生が遊具のつくりを説明する。どこに階段があって、どっちにすべり台があるのか、デッキの高さはどれくらいで、吊橋の幅や隙間はどのくらいあるかなど。

○説明を聞いた後、子どもが一人で遊具に上がる。必要に応じて大人が下から「そっちに行ったら危ないよ」などと声をかける。

○遊具が大型の場合、上に行くほど、下にいる大人と離れてしまうので声が聞こえにくい。「足を踏み外しはしないか」「後ろから他の子が走ってきていないか」など、子どもは自分で周囲の様子に気を配っている。

○長くてカーブした滑り台を初めて滑る時などは、予測がつかないので怖い。たとえ口頭で「○mくらいの滑り台よ」と説明されても伝わりにくいもの。けれど一度滑ってみると安心でき、次からはもっと楽しめる。これは公園自体にも言えることで、一度行って様子がわかった所なら、その後は比較的安心して遊べる。

<こうなるといいな!(複合遊具)>
★複雑な構造の遊具は最初の説明が大変で、子どもは混乱してしまいがち。子どもたちが理解しやすいつくりにしたり、工夫を加えたりしてほしい。

★複合遊具に親が子どもと一緒に上がれるよう、階段や通路の幅、デッキスペースにゆとりを。初めて遊ぶ時の不安が容易にクリアできれば、子どもはすぐに楽しめるようになる上、親も安心できる。

(それぞれのご意見を下さった皆様、ありがとうございます。)

イラスト:滑り台の上り口に立つ笑顔の男の子
イラスト:「すべり台に上がろう!」 たかしくん