ニーズを知る「利用者調査」

発達障害のある子どもたちと公園

発達障害児のお母さんたちの声

<公園にこんな工夫を!>

★子どもたちが理解しやすいように!
○看板に文字で書かれた情報(例:公園入口の「自転車乗り入れ禁止」。トンネル状の滑り台終点の「ここから登らないで下さい」など)を、理解しにくい子どももいる。注意事項や伝えたい情報は文字だけでなく絵やピクトサインで示してあれば、小さな子どもにとってもわかりやすくなる。

○巨大で複雑な構造をした複合遊具だと、どう遊んでよいのか混乱してしまう場合がある。そういった子どもたちにとっては、「ここは滑り台を滑る所」、「ここはジャングルジムに登る所」と遊具がわかれていた方が理解しやすく、安心して遊べる。

○遊具が、不規則に点在しているのではなく、広場を一周するルート上にぐるりと配置されている公園がある。車で公園に着いて駐車場のそばからスタートすると、順番に一つひとつの遊具で遊びながら公園を一回りして、しぜんと駐車場まで戻ってこられる。わかりやすく、子どもも楽しめるので、夏休みの日課として体を動かすのにちょうどよい散歩コース!

★一定の安全性を確保してほしい!
○複合遊具の屋根や手すりの上など、高い所に登ることが大好きな子どもがいる。「登ると危険!」という看板や大人の声かけなどであきらめることはなかなか難しい。
そこで「いかに子どもを登らせないようにするか」ではなく、「子どもはどこでも登りたがるもの」という前提で、最初から登ってもよい遊具を作ってほしい。
また転落した時のために、複合遊具の周りの地面が再生ゴム舗装など、衝撃を少しでも吸収する表面仕上げだと嬉しい。

○子どもが不意に思わぬ方向へ駆け出すことがあり、親が注意をしていても姿を見失ってしまう心配がある。特に、死角の多い遊具や、そばに交通量の多い道路や川があるような公園で遊ばせるのは怖い。
そこで公園全体が見渡せるよう、遊具や植栽の見通しをよくしてほしい。また子どもの危険な飛び出しを防止する意味から、公園の周囲が柵などで囲われていて出入口が限られている方が安心な場合もある。

★子どもにとって居心地のよい、お気に入りの場所を!
○ある程度囲まれた空間を好む子どもは多い。発達障害のない子どもも、ちょっと狭い場所にすっぽりと入ると、不思議なワクワク感や心地よさ、安心感を味わえるもの。居心地のよいスポットがあれば、子どもたちはそこをほっとできる心の拠り所として利用しながら、公園で遊ぶことができる。

(それぞれのご意見を下さった皆様、ありがとうございます)

イラスト:虹のような色づかいのアーチ型の枠に下がった2つのバスケット型ブランコ。その一方に乗ってウィンクしている女の子
イラスト:「虹のブランコ」