日本とイギリスの共同調査「アスク・プロジェクト」って?

 明けましておめでとうございます。
  私たちの小さな活動が始まって1年半が経ちました。興味を持って下さる方が少しずつ増え、このホームページも予想以上に多くの方にご覧頂いていると聞き、ありがたいと同時に身の引き締まる思いです。これからもいろいろな人や公園に学びながら、「調べる」「考える」「広める」の3つの活動を、少しずつ充実させていきたいと思います。
  今年も、どうぞよろしくお願い致します!

  さて昨年12月、昭和女子大学(東京)で、こども環境学会・センサリートラスト(※)他主催「英国と日本の自然環境施設から学ぶシンポジウム」が開かれ、貴重なお話を伺ってきました。その中で、前述の2つの団体が共同で行なっている「アスク・プロジェクト(Ask Project)」についての紹介・報告がありました。

  このプロジェクトは、日本とイギリスの両国で、障害児と健常児に自然環境施設(植物園など)を実際に訪れてもらい、子どもの立場から見た施設の評価を調べる研究事業です。まだ研究途中なので、調査データの詳しい比較分析はこれからとのことでしたが、興味深い取り組みでした。

  このプロジェクトは、施設の側と子どもの側、それぞれにメリットがあります。
  施設側は、従来、重視されてきた大人の意見だけでなく、あらゆる子どもの意見や気付きを聞くことで、施設やサービスのさらなる改善に向けたヒントが得られます。これにより集客力のアップも期待できます。
  一方子どもは、こうした発言の機会を与えられることで、自分にとってあまりなじみのなかった場所でもより意欲的に観察し、多くの発見をしたそうです。同時に、障害児と健常児からなる参加者が、お互い多様な見方や意見、ニーズをもっていることも実感できます。
  この調査は、子どもが社会に貢献できるだけでなく、子ども自身が学べるきっかけを提供したと言えるでしょう。

  「アスク・プロジェクト」という名の、このユニークな取り組み。
  名前の由来は、まさに「Ask(アスク)=聞く」だそうです。一見単純な行為「聞く」が、いろいろな可能性をもっていることをあらためて感じた講演でした。