こども環境学会(東京)に行ってきました

 今春開催されたこども環境学会2013年大会で、国際シンポジウムのスピーカーの一人として、香港・Playright(こどもの遊び協会)代表のKathy Wongさんが登壇されました。香港・Playrightは25年前に設立された子どもの遊ぶ権利を擁護するNGOで、質の高い遊びを通してすべての子どもの人生を豊かにすることを目指し、様々な活動を展開しています。それにはおもちゃ図書館、移動式遊び場、児童館、そして病院や特別支援学校の子どもを対象とした遊びプロジェクトも含まれます。

 Wongさんはこうした実践を紹介される中で、入院中の子どもや障害のある子どもにとっての遊びの大切さに触れられました。「病気や障害を持つ彼らには、治療や訓練ばかりが重視されています。もちろんそれも大切ですが、彼らは病児・障害児であると同時に『子ども』でもあるということを忘れてはなりません」。

 スピーチの後でWongさんに伺ったところ、香港でも本当にインクルーシブと呼べる遊び場はまだないそうです。「スロープ付きの遊具を置いた公園はいっぱいあるんですよ。でもスロープを上がった先でできる遊びがすごく少ない。特別支援学校にもアクセシブルな遊具はあるけれど、そこは障害がある子どもだけの遊び場。大切なのは、『地域にインクルーシブな遊び場がある』ことですよね。じつは今年、障害のある子どもとその家族にニーズ調査を行って、年内に結果を発表する予定なんです。来年はそれをもとにインクルーシブな遊び場づくりに関する指針を作成して、実践につなげたいと考えているんですよ」と、力強く語ってくれました。

 アジアにもついにインクルーシブな遊び場づくりの波が起こり始めています!