ニーズを知る「利用者調査」

砂遊び場や水遊び場、自然について

多様な子どもたちのお母さん、肢体・視覚・聴覚障害者、特別支援学校の先生たちの声

<砂遊び場>

○普通の砂場は、車いすのままでは遊べない。

○発達障害の子どもの中には、特定の感触がとても苦手な子どもがいる。
たとえばある子どもは、砂の上を歩く時の足が沈み込む感覚や、靴に砂が入ることが嫌で、砂場には近付こうとしない。その場合、滑り台の下り口が砂場になっていたり、ブランコエリアの地面が砂だったりすると、その遊具では遊べないことになる。(一方で、砂の感触が大好きな子どももいるが。)

○広い斜面を利用したコンクリートの滑り台の場合、下が砂場だとけがをしにくい反面、コンクリートの斜面に砂が付くことで、そこを駆け上がったり下りたりする子どもが滑って転倒するなど別の危なさがある。

○複合遊具と砂遊び場が一緒になっている公園がある。井戸のつるべのような滑車の仕掛けがあり、複合遊具の下にある砂場でバケツに砂を入れ、デッキ上の子どもがバケツを引き上げては、下へ通じる穴へ砂を落として遊ぶというもの。
遊び自体は楽しいのだが、子どもは砂を撒いたり、投げ付けたりもする。大人が注意をしても、結局遊具上はたいてい砂がばら撒かれた状態。
砂が乗ったままのデッキは滑りやすくて危ないし、遊具の下を通る子どもが砂をかけられることもあるので、砂場と複合遊具はエリアを分けた方がよいと思う。

○砂場が猫のトイレになっているところもあり不衛生。安心して子どもを遊ばせられない。面倒だけど、ふたやネットで砂場を覆うなどの対策が必要。

<水遊び場>

○多くの子どもは水遊びが大好き。特に夏は、子どもが思い切り水遊びができる所があるとうれしい。

○噴水の中で子どもが遊べるようになっているところもあるが、コンクリートで囲まれていて下はぬめりもあるので、転んでけがをしそうで心配。

○水が循環している噴水や水遊び場、また人工池では、水が澱み、底が滑りやすくなっている所がある。子どもの水遊びも想定してつくられてはいるが、水が汚いので結局遊ばせられない。

○ある公園の水遊びができる噴水は、車いすからも水に触れるように工夫されていた。けれど噴水の中に入って遊ぶ子どもが転倒してけがをする危険性と、水質の衛生上の問題から水が止められてしまった。子どもたちに人気の遊び場だったので残念!

<自然>

○車いすに乗っている子どもは、自然に触れる機会がたいへん少ない。車いすのまま草花や木々、土に触れたり、自然を満喫できるような場があるとうれしい。

○車いすで見晴らしのよい小高い丘に登れるとよい。子どもに丘の上から周囲を見渡す経験をさせたい。

(それぞれのご意見を下さった皆様、ありがとうございます)

イラスト:花壇の脇で、目を閉じて杖を持った女の子が鼻歌を口ずさんでいる。花壇の反対側には押しボタンの付いた支柱と、その上に音楽が流れ出るスピーカー。隣の椅子型ブランコでは、シートベルトを付けた女の子が笑顔で揺れている
イラスト:「みんなの公園」