複合遊具や大型遊具について

多様な子どもたちのお母さん、肢体・視覚・聴覚障害者、特別支援学校の先生たちの声

★いろいろな遊びを!
○アスレチック的要素のみの遊び場は、ある程度大きな子どもが体力や運動能力を身につけるにはよいのだが、年齢や障害によってはまったく遊べない子どももいる。いろいろな子どもが楽しめるよう、視覚・聴覚・触覚なども使って楽しめる遊具や、車いすに乗ったまま遊べる工夫がほしい。

○ある公園に、たくさんの小さな四角いスイッチが碁盤状に並んでいて、押すと色が変わるプレイパネルがあった。一つずつスイッチを押していくことで、全体で絵やマーク、文字が書ける仕組み。その遊具は子どもに人気があり、順番待ちもできていた。子どもは体を動かすだけでなく、少し頭を使うような遊びも好き。

○ハイハイやつかまり立ちをするくらいの小さな子どもも遊べる遊具があると、兄弟を一緒に遊ばせることができる。

★複数の種類のアクセスルートを!
○スロープのルートが複合遊具の上まで通じていると、車いすに乗っている子どもも、他の子どもたちと一緒に遊べる。

○親が子どもに同行できるよう、複合遊具には大人が楽に上がれる幅の階段ルートを設けて、デッキも広くしてほしい。

○ある巨大な複合遊具の一本の長い登りルートで、子どもが途中までは行ったものの、高い吊橋を目の前にし、怖くて進めず立ち往生したことがあった。親の助けを呼んでも、柵で覆われたルートは大人には狭すぎて行けない。
もし途中からも出入りができる別ルートが、要所ごとに設けてあれば、子どもも安心して挑戦できるし、いざという時、親も助けに行きやすい。

○複合遊具で、長い滑り台が1本あり、そこへ通じるルートが1本しかない場合、障害などのためにゆっくり進んでいる子どもが、後ろから別の子どもに急かされたり、無理に押しのけられたりすることがある。(頭の上を飛び越えられたことも!) それぞれの子どもが実態や状況に応じて選べるように、複数のルートが必要。

★大きいと困ることもある。
○土地の傾斜などを利用し、とても長い滑り台が設置された公園は、一見楽しそうだが滑り台のスタート地点にたどりつくまでが大変。長い階段は大人もうんざりしてしまうし、子どもも数回で飽きることが多い。

○大きくて複雑な遊具は、視覚に障害のある子どもにとって、遊具の構造が理解しにくい。また、発達などに障害がある子どもにとって、どこでどう遊べばよいのかわかりにくく、混乱してしまうことがある。

★遊具の床について
○複合遊具の床は、子どもが這って移動しても汚れにくく、服が擦り切れないよう、素材に工夫をしてほしい。

○複合遊具の床にたくさんの砂が上がっていると、滑りやすくなるし、床に座ったり手をついたりするのがためらわれる。(子どもが隣接する砂場から、砂を持ち込んで遊ぶケースもあるよう。) 複合遊具の周辺は、砂や土以外の地面にしたり、砂場の位置を離したりするとよいのではないか。

★安全への配慮を!
○子どもも大人も、遊具のデッキ上や、滑り台のスタート地点などで柵に頭をぶつけてしまう。特に視覚に障害がある子どもの場合、足元に注意して歩いているので、頭上の柵に気付かないことが多い。
柵がない方がよいが、どうしても必要な場合は、ぶつかりにくいデザイン、目立ちやすい色、ぶつかってもけがをしにくい素材の柵にしてほしい。

○複合遊具の屋根や手すりの上など、子どもは高い所に登りたがるもの。転落した時のために、遊具の周りの地面をゴム舗装にするなど、衝撃を少しでも吸収する表面仕上げだと嬉しい。

(それぞれのご意見を下さった皆様、ありがとうございます)

イラスト:複合遊具の滑り台を滑る笑顔の子どもと、エレベーターのように動くシートに座ってデッキに上がる女の子。複合遊具の入口は迷路になっている
イラスト:「こんな遊具あったらいいな」