ニーズを知る「利用者調査」

医療的ケアが必要な子どもたちと公園

「こどもハッシン!ー呼吸器生活向上Project」の皆さんの声
こどもハッシン!のロゴマーク。呼吸器などを付けバギーやストレッチャーに乗った子どもたちが旗を掲げている。

1.インクルーシブ公園で遊んでみた感想

<みんなと公園で遊べた!>

○ 息子は今18才ですが、普段から公園に行くことは無かったですね。就学前の小さかった頃は、抱っこしてブランコに乗ったりもしたけど、大きくなってからは初めて。「ハッシン!Project」の企画で行けてよかった!

○ 公園に着くと健常児の子がたくさん遊んでいて、最初は「私たち…いてもいいのかな?」という気持ちもあったけど、そのうち一緒に遊んだり私たちが乗る遊具を揺らしてくれたりしたんですよ!

○ 今まで、家の近所を含めていくつかの公園に行ったことはあるけど、よくあるブランコや滑り台って、わりと一人で遊べちゃう遊具ですよね。他に子どもがいても、たいていそれぞれで遊んでいるので、こちらから何か声をかけてお友達になるようなことは無かったかな。一つの遊具で他の子と一緒に遊びながら、楽しい時間を共有するという体験は、今回のインクルーシブ公園が初めてだったかも!

○ 「車いすから子どもを降ろす→遊具に乗せる→遊ぶ」という介助のすべてを親一人でこなすのは難しいけれど、周りの人たちに助けてもらったおかげで楽しめた。皆さんの力がありがたかった。

○ 初めて会った親同士でも自然に、「押しましょうか」などと声をかけ合う場面があった。押してくれると子どもが反応して相手にも楽しさが伝わるし、「負担を掛けてる」という意識が薄れた。まったく無くなるというわけではないけど、すごく薄れたんです。

○ これまでは、子どもをなんとか遊具に乗せようと介助している間、他の子たちを待たせている焦りのようなものがあって、人とおしゃべりをする気持ちの余裕が無かった。みんなと一緒に楽しめる遊具なら、こちらも待たせてないし、向こうも楽しんでいるというWIN-WINな感じで、気兼ねなく遊べた。お願いもしやすい雰囲気が生まれていてすごく良かった。

○ 公園でよく、小さな子とお母さんがブランコとかで遊んでますよね。本当に何でもないような光景だけど、それができるのとできないのって、やっぱり大きな違いがある。これまでの遊具もちょっと工夫するだけで、「自分も乗れるかも!」と思えたり、実際に乗れるようになったりする子がたくさんいると思う。

写真:公園での集合写真
写真提供:こどもハッシン!Projectさん

 

2.各遊具や環境について

<ブランコ>
 (一般的な平板型ブランコ2つと、背もたれ&ハーネス付きのいす型ブランコが並んでいた)

○ 健常児やきょうだい児(障害のある子どものきょうだい)の子たちが勢いよくブランコをこぐ隣で、障害のある子も同じように乗って楽しむ姿を見れてすごく良かった。

○ きっと健常児の子たちはいす型のブランコを見て、「なんでこんなごっついのがあるのかな?」と、少し不思議に感じていたと思う。そこに障害のある子たちがやって来て一生懸命乗っているのを見ることで、「あ、こんなふうにして楽しめるのか」とちょっとでもわかってもらえたかなと感じた。

○ ブランコのシートへ乗り移る時、車いす(バギー)をすぐそばに横付けできたのが良かった。

○ いす型のブランコは楽しそうだったし、実際、楽しんでいる子もいっぱいいたけど、うちの子にはシートの角度がやや急で、座位を保つのが難しかった。首が据わっていないので、頭がどうしても下を向いた状態に…。ブランコを吊っている足側の鎖をもう少し短くするなどして、シートがより寝た状態に近くなっていたら、きっと顔を上げたまま楽しむことができありがたかった。

○ 子どもを乗せる時、ブランコがぐらつかないように押さえてくれる人が必要だった。呼吸器を使う子どもは、機器を一旦外して乗ったりしたので、大人が1~2人だけで介助する場合だと難しい。

○ 移乗する間、シートがぐらつかないようストッパーか何かで一時的に固定できると乗せやすそう。ちゃんと座った後にストッパーを外すと動き出す、みたいになっているといいな。

○ うちの場合、バギーが大型で呼吸器もあるし、本人も一人で座位が取れないので、そこから呼吸器を外して乗るという動作がすごく大変。できればバギーごと乗れるブランコだとすごく助かる、というのが正直な感想。

○ うちの子はなんとか座れたけど、胸の前や腰回りがブカブカで不安定。持参した膝掛けやタオル、クッションを、座面や背もたれ、ハーネスとの隙間などに詰めてできるだけ姿勢を固定させ、ようやく楽しむことができた。揺れるブランコで風を受けるとやっぱり嬉しいので、すごく笑ってくれたのが良かった。

○ ブランコのハーネスは、体がちょっと大きいうちの子にはギリギリだった。入らないんじゃないかとヒヤヒヤした。

○ 寝た姿勢で乗れるハンモックとか皿型のブランコもあるといいなと思った。体重制限もあまり気にしなくてよいものなら、子どもが大きくなってからや、介助者と一緒の場合も乗りやすい。揺れても滑り落ちにくい素材だとさらに良さそう。

写真:並んでブランコを楽しむ3人の子どもたち
写真提供:こどもハッシン!Projectさん
写真:いす型ブランコで笑顔の女の子。シートの前後に膝掛けやクッションを挟んでいる。
写真提供:こどもハッシン!Projectさん


<深皿型の回転遊具>
 (直径2メートルほどの深皿型の遊具に乗り込み、外の人に回してもらって楽しむ遊具があった)

○寝転がって乗れたのもすごく良かったし、カーブしたシートもまた座りやすくて、何度もグルグル回って楽しんだ。きょうだい児も一緒に乗ったり回してくれたり。ちょっと過激なくらいの回転もしたけど、すごく楽しかった!

○ 仲のいい子と並んで乗れて嬉しそうな子もいた。グルグル回すと結構遠心力がかかって、普段は体験できない感覚を味わえた。

写真:回転遊具を楽しむメンバーたち。子どもを前に抱いてシートに座る親も笑顔
写真提供:こどもハッシン!Projectさん


<車いすのまま乗って揺れる遊具> 
(電車のボックス席を広くしたようなブースに乗り、左右に揺らせる遊具があった。向き合ったシートの間にはスペースがあり、車いすやベビーカーのユーザーも乗り込める)

○ 車いすごと乗れるのが衝撃的! うちの子は体も大きく、ストレッチャータイプの車いすに乗っているので難しいかなと思ったけれど、みんなと乗れて感動した。

○ やっぱり車いすごと乗れる遊具は、姿勢の保持とかに気を取られることもなく、すごく安心して楽しめた。

○ 基本的に周りの人に押してもらわないと動かないのだけど、みんなが「それーっ!」と強弱をつけて揺らしてくれた。それもまた「みんなで一緒に遊んでる」という感じがしてすごく良かった。

○ この遊具は一人ではなく複数で楽しめるので、他の子も私たちと一緒に乗って遊んでくれた! 地域の子どもたちと遊びを共有できたんです。すると他の親御さんが押してくれたりもする。こうしてみんなで1つの遊具で遊んだり、他の人の手を借りたりすることで、地域につながりを広げていけるのではと感じた。

○ うちの子は寝た状態のまま移動する必要があり、いわゆるお姫様抱っこもできないので、ストレッチャータイプの車いすから降りられないんです。「移乗する」という動作抜きで乗れる遊具が一つしかなかったため、結局、うちの子が乗れたのはこの遊具だけだったのが少し残念。

○ 車いすやストレッチャーごと乗れる遊具の場合、大きく揺れるとブレーキを掛けていても横滑りしちゃうことがある。簡単でもいいので、下に車いすを固定できる仕掛けがあれば、安全性がアップしそう。


<スロープ付きの複合遊具> 
(大小2つの滑り台やプレイパネルなどを備えた複合遊具があった。スロープは途中までで、滑り台があるデッキに行くには階段などを上る必要がある)

○スロープの入り口から上ってはみたけど、アクセシブルなのは途中まで。その先に高い段差があって、「…じゃあ、戻ろうか」となったのが残念だった。

○ せっかくのスロープも途中までだと、「あぁ、やっぱりここで終わりなんだ…」とテンションが下がっちゃう。ここから先は、抱っこで連れて上がらないといけないのかと。上のデッキにある滑り台のスタート地点ギリギリまでスロープで行くことができれば、滑り台だって試せたのではと思う。

○ うちの子は滑り台が大好き。「インクルーシブ公園」という言葉から、「ここなら滑れるかも!」とすごく楽しみにして行ったのだけど、途中までしか行けず「あぁ、そうだよね。やっぱ難しいよね」と。でも遊具を見ると子どもは「滑りたい!」っていう表情をするんですよ。やっぱり自分が楽しかった記憶があるから。だから「なんとか滑らせてあげたかったな…」という気持ちを抱えて帰ってきました。

○ 段差で行き止まりのデッキから戻る時、うちの子の車いすは前後に長いので、「このスペースでは方向転換できないのでは?」と心配したけど、頑張ればなんとかターンできた。バックするのではなく、前向きに戻れた点は良かった。

○ 大きな滑り台をなんとか体験してみようと、子どもを横抱きした状態で階段を上ってみた。いざ上に着くと思った以上に高くて、滑り台の下にいる夫や仲間たちもハラハラ。正直、私自身も一瞬ひるんだのだけど、子どもを抱いたこの状態でさっきの階段を降りる方がかえってリスクがありそうだったので、思い切って抱っこしたまま滑ってみることに。(止まりきれなかった時のために下でサポート役が待機。)なんとか無事にシュッと滑り降りることができ、娘も「えっ? なんだ、なんだ!?」というびっくりした顔に。久々に滑り台を体験できた。

写真:複合遊具の下をストレッチャーで潜る親子
写真提供:こどもハッシン!Projectさん
写真:子どもを横抱きして滑り台に挑戦しようとする母親。勾配がやや急で少し不安も。
写真提供:こどもハッシン!Projectさん


<遊具以外の楽しみ方も>

○ 最後は広場に集まって、持参したパラバルーン(大きな円形の軽い布)を子どもたちの上でふわふわ揺らしていると、「一緒に入ろう!」という感じで健常児の子たちも加わって大喜び! まさに「だれもが一緒に楽しめるみんなの公園」って感じで、一体感を味わえたのがすごく良かった。

○ みんなでやったパラバルーンは、感動的な時間だった。大きな車いすなどに乗ったいわゆる「障害のある子ども」が集団でいるところに、他の子たちが何の違和感もなく「一緒に遊びたい!」って入ってきてくれることに私自身びっくりした。それって、いかに私たちが楽しそうだったかってことかも。よほど「楽しいオーラ」が出てたんじゃないかな(笑)。私たちをお手伝いしてくれたボランティアの方など大人たちも、「こんな遊び方があるんだ!」「なんておもしろい遊びなんだ」と一緒に楽しんでくれた。

○ 遊び場の隣になだらかな丘と階段があり、斜面では芝滑りなんかもできそうだった。同行してくれていたボランティアの男性が、「ここを登って、ちょっと高いところから眺めてみよう!」と子どもの車いすを押して芝の斜面に挑戦してくれたのだけど、勾配が急すぎて断念した。

○ 乗れる遊具が1つしかなかったうちの子どものために、ボランティアの若い男性が「ダッシュ」と称する遊びをしてくれた。遊び場に隣接する園路を、車いすを押しながらすごいスピードで走り、ドリフトして止まるというスリリングな遊び。まさにその人自身が「遊具」だった。園路はフラットできれいに舗装されていたし、車も通らないので安心。親には真似できない勢いのダッシュで、何度も子どもを楽しませてくれた。公園には、遊具以外の楽しみ方もあることに気づいた。

写真:パラバルーンを楽しむ30人以上の親子。呼吸器をつけバギーやストレッチャータイプの大型車いすに乗る子どもたちの間に、地域の子どもや親も交ざり、笑顔や歓声があふれている。
写真提供:こどもハッシン!Projectさん

 

<地面・アクセスルート> 
(遊び場の地面は主に芝で、遊具の周辺は土だった。各ブランコシートの下や滑り台の降り口など、部分的にゴムチップ舗装も)

○ うちの子どもは呼吸器をつけているけれど、自分で電動車いすを操作して移動ができる。公園は基本的に自分で移動させたかったけど、駐車場から遊び場までに意外と段差があったり、遊び場の中は土や芝生でボコボコしていたりで、危なっかしく感じる部分があった。「インクルーシブ」というのならもう少し平らで、子どももスムーズに移動できるといいな。

○ 体育館などの施設を備えた既存公園内の遊び場をインクルーシブに改修した関係で仕方がないところもあるけれど、障害者用トイレが遠くて困った。トイレは隣接する体育館の中で、その入り口は遊び場の反対側にあるため、大きな建物をぐるっと回り込まなければならない。滞在中にトイレを2~3回利用したのだけど、遊びから抜ける時間が長くなってしまい、もったいない感じがした。

 
<休憩場所> 
(遊び場の周囲にいくつかのベンチやテーブルと藤棚があった)

○ 痰の吸引の際に必要な器具を置いたりしたいので、ベンチだけでなくテーブルもあるのは嬉しい。

○ たとえば遊び場の隣の芝の小山などにも休憩所があると良さそう。そこへのアクセスルートもあれば、車いすユーザーも小高い場所で眺めを楽しみながら休める。

○ 経管栄養を注入したり、落ち着いて痰の吸引をしたりできるよう、遊び場のそばに屋根のある休憩室のような場所があるといいな。


<駐車場> 
(公園内に広い駐車場があり、出口には係員もおられた)

○私たちは車での移動が基本なので、出かける時は、「駐車場があるか?」「障害者用スペースがあるか?」「駐車料金は?」などが気になる。インクルーシブ公園には駐車場があった方が絶対いいと思う。

○ 今回の参加者も、それぞれ自家用車で公園に向かった。最初に駐車場の係員の方に、「これから車いすの子どもを乗せた福祉車輌が何台も来るのですが、どこに停めたらいいですか?」と尋ねると、普段はチェーンが張られている別エリアに案内してくれた。遊び場から比較的近い場所だったし、後から来る人たちの車も係員の方がすぐに誘導してくれた。

○ 私たちの車は、後ろからスロープを出して車いすを降ろすタイプなので、駐車区画の後方にスペースが必要。すぐ後ろを車がビュンビュン通るような場所だと、特に親が一人で子どもを乗せ降ろししている時は危ない思いをすることも。今回、案内された場所は他とは区切られたエリアだったので、スロープもゆったりと出せたし、安全に乗り降りができて助かった。

○ そこから遊び場へのルートは、車が通る一般の駐車エリア側に出て回り込む必要があった。もし、直接遊び場に繋がる歩道があったなら、より安全でスムーズにアクセスできそう。

○ 駐車料金は2時間を越えると有料だけど、障害者手帳で減免を受けると無料だった。ちょっと残念だったのは、減免のスタンプをもらうために、離れた体育館内の受付まで出向かなければならなかったこと。しかも減免のスタンプをもらって20分以内に駐車場を出なければならないので焦った(笑)。車いすに乗る子どもも荷物もすべて車に乗せ終え、出発の準備を整えてからスタンプをもらいに受付まで出向く必要がある。もし減免の手続きを駐車場出口のボックスにいる係員の方にしてもらえたら、スムーズでありがたかった。


<分身ロボットOriHime(オリヒメ)> 
(カメラ・マイク・スピーカーが搭載された全長20センチほどのロボット。移動や体の動きに制約がある人も、インターネットを通じて自宅のパソコンなどから遠隔操作ができ、現地の様子や人とのコミュニケーションを楽しむことができる。https://orihime.orylab.com/ 当日、現地に行けなかったメンバーがオリヒメで参加した)

○ 少し寒い時期で子どもの体調変化が心配だったので、初めてオリヒメを借りて自宅から参加させてもらった。子ども自身は学校の授業でZoomを使ったやりとりに慣れていたので、パソコンを介して離れた場所の様子を見たり、人から呼びかけられたりすることへのとまどいなどは無く、わりとすんなり入っていけた感じ。

○ やはり初めての場所や体験の場合、「何だろう?」と考えちゃう様子。現地のお友達がオリヒメを持って滑り台を滑ってくれた時、その映像を見て「これは何だろう?」とすごく考えていたようで、実体験ではないけれどそれなりの刺激があるのかなと思った。

○ 回転遊具の映像では、親の私も隣で「わぁ、グルグルしてるね! 目が回りそうだね」と言いながら見ていた(笑)。子どもも現地の雰囲気を感じ取っていたみたい。

○ うちの子どもは自分でオリヒメを操作することが難しいので、親が手伝った部分もあるけれど、公園を疑似体験していることは、何となく感じてくれていたのかなと思う。現地のお友達の姿や声で楽しさが伝わったり、呼びかけられてやりとりができたりしたのが良かった。

 

3.今後の遊び場づくりに向けて

<車いすのまま乗れる遊具を>

○ 子どもを車いすから遊具へ乗せ降ろしするのは結構大変で、それだけで親が疲弊しちゃうこともある。本人だけでも車いすのまま乗り込めたり、できれば親やきょうだいも一緒に乗って楽しんだりできる遊具があると、とても気軽に遊べるはず!

○ 遊具への移乗に手間と時間がかかるので、後ろに人が並んでいたりすると「待たせちゃってる」という焦りを感じがち。楽しむよりも、つい「早く、早く!」と子どもを急かしちゃって、結局気疲れして帰ってくるようなことがある。もっと気軽に乗って楽しめて、次の方ともスムーズに交代できるような遊具があると楽しめそう。


<こんな遊びや工夫は?>

○ 公園は、植物や生物など自然の営みに触れられるのも魅力。どんぐりや松ぼっくり、セミの抜け殻などを拾ったり触ったりしたいのだけど、木の根が盛り上がっているなど地面が凸凹で近づくことすらできないケースも。車いすの子どもも無理なくアクセスして楽しめる自然のスペースがあると、すごくいいと思う。

○ 車いすに乗ったまま砂遊びができるよう、砂場を高くしたレイズド砂場を設ける場合は、下がくり抜かれたテーブルのような形状になっていると、車いすで正面からアクセスして遊びやすい。手洗い場も同じだけど、壁の部分に蹴込みがない垂直な状態だと、車いすを横付けした姿勢で無理に手を伸ばさなければならず、使いにくいことが多い。

○ 車いすで楽しめるターザンロープみたいな遊具ってどうかな? 日頃、障害のある子どもが体感しているのは平坦でゆっくりな移動ばかりだけど、結構ガタガタが好きだったり、むしろ狭い道が好きだったりもする。これまでとは違うスピード感や風、揺れなどが感じられる遊具があると、遊び体験がすごく豊かになると思う。

○ 音が出る遊具も楽しそう! 視力に障害があって、遊具を見られないお子さんもいる。手で触れると音が鳴る遊具とか、路面に溝が刻まれていて車で通ると音がするメロディロードのような仕掛けの園路や、踏み板を踏むと音が鳴る橋なども楽しそう。

○ トンネルがある小道や、「ドラえもん」に出てくる空き地の土管のような仕掛けもおもしろそう。子どもって潜り込むのが好きですよね。

○ 遊び場へと通じる園路に、音が鳴ったりワクワク感をかき立ててくれたりする仕掛けを設けるのはどうかな。遊び場に向かっていることが分かると期待感も高まるし、遊具に人がたくさん並んでいる時なども、ちょっとそこを走ったりして楽しみながら待つことができる。遊具以外の楽しみ方があると、子どもたちも飽きないかも。

○ 巨大迷路のようなスポットがあるといいな。よくある迷路は通路が狭くて、大きな車いすやバギーだと方向転換が難しい。少し広めで地面もフラットな迷路なら、うちの子どもも自分で車いすを操作して楽しめそう。出会い頭に他の子とじゃんけんして道を譲ったりしながら遊べたら、きっと楽しいだろうな。

○ せっかくパラリンピックがあったことだし、みんなでボッチャや車いすサッカーができるコートとかが併設されていると楽しそう。公園に遊びに来た一般の方もパラスポーツを見る機会になるし、「一緒にやろうよ!」と誘い合えるんじゃないかな。全然知らない子ども同士でも、何人か集まったら「じゃあ、やる?」って自然に言えるような場があるといいなと思う。

○ 実際パラスポーツの体験イベントなどに参加して、自分で車いすを押したり車いすサッカーを体験させてもらったりすると、意外に難しいしおもしろい。健常の人が体験するのも全然ありのスポーツだから、そんなスペースがそばにあるといろんな人が楽しめる空間になる。そうすれば「パラスポーツは障害者だけがするもの」みたいな垣根が取れていくだろうし、単純に「楽しいからやろうよ!」って言えるスポーツになるといいな。

○ 遊び場のそばにカフェやレストランがあるといいよね。みんなでもっとゆっくり公園を楽しめそう。


<情報の提供>

○ 今回はメンバーの一人が事前に現地へ行って、「駐車場はどことどこにあって、どこが一番近いか」や「どこが階段で、どこがスロープか」などを下見してくれていた。今はインターネットで公園の様子などが多少見られる場合もあるけど、必要な情報を詳しく下見してくれていたので、初めてでも安心して行くことができた。

○ 事前に行き先の情報を調べる際や外出先では、バリアフリールートの描かれた地図があると助かる。よく駅の構内図で見かけるような、スロープルートや多機能トイレの位置などが矢印で記されている案内図があると便利。

○ 最近はネットやメディアで、各地のインクルーシブ公園の情報に触れる機会も増えてきた。充実した公園の写真や紹介記事なんかを見ると、すごく行きたくなるよね!

○ 情報はあると嬉しいけど、やっぱり行ってみないとわからない部分も多いので、「とりあえず行こう!」とまず行動に移すケースもよくある。実際に行った時、そこで悪い印象を受けるようなことがあると、もう二度と行く気にならなかったりもするけどね(苦笑)。


<人的サポート>

○ インクルーシブ遊具はすごく工夫されていてありがたいなと感じると同時に、やっぱり周りの人の手は借りる必要があると思った。

○ 車いすから遊具に乗り移る時に遊具をちょっと押さえてくれる人や、子どもと一緒に乗っている時に遊具を揺らしたり回したりしてくれる人がいるといいな。やはりまったく知らない人に、「ちょっとすみません、○○してもらってもいいですか?」とは頼みづらい。もしボランティアさんとかプレイワーカーなど、「私がお手伝いしますよ」みたいな人が公園にいてくれると、「あの人には頼んでいいんだ」と思えて気持ちが楽になりそう。

○ 私たちは「ハッシン!Project」のイベントとして行けたけど、親だけで子どもを公園に連れて行くことを考えると、「ちゃんと遊べるかな…」となかなか自信が持てないケースもありそう。遊び場で手伝ってくれる人がいたり、遊具で遊べなくても多様な子どもが参加できるイベントがあったりすると、「行ってみようかな!」と考えるきっかけになると思う。

(それぞれのご意見を下さった皆様、ありがとうございます)